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業界トピックス

平成23年度税制改正  贈与税は1月から緩和・相続税は4月から厳しくなる

相続税増税
—課税対象者が約1.4万人増

 平成23年度税制改正大綱によると、平成23年4月1日から相続税が増税となります。現行制度が始まった1958年から53年ぶりの抜本見直しとなります。見直したのは、相続財産から差し引くことができる「基礎控除額」です。
 「基礎控除額」を引き下げることで、これまで非課税対象者であった人々が課税対象者となります。2009年の課税対象者は4万6,431人でしたが、約1.4万人増の約7万人に広がるとみられています。
 相続税の計算は、被相続人の全ての相続財産を集計することから始まり、そこから、相続税のかからない財産が除かれます。それが課税財産で、それを種類ごとに評価して相続税の評価額を出します。
 ちなみに課税財産とは、土地等、建物、現金、預金、有価証券、生命保険金、退職金、その他の財産、相続開始前3年以内の生前贈与財産、相続時精算課税に係る贈与財産のことです。
 相続税の評価額から債務、葬式費用を引いたものが「正味遺産総額」です。その「正味遺産総額」から「基礎控除額」を差し引いた「課税遺産総額」に対してかけられるのが相続税です。
 この「基礎控除額」の部分にメスが入れられました。この額を変更すれば、いくらでも課税対象者を増やすことができることになります。
 現在の「基礎控除額」は、定額控除5,000万円+(1,000万円×法定相続人数)ですが、これを定額控除3,000万円+(600万円×法定相続人数)に改めました。定額控除2,000万円と法定相続人1人当たり400万円の増税という計算になります。
 夫が亡くなり、妻と子供2人が相続する場合、現行は8,000万円まで非課税でしたが、改正後(平成23年4月1日以降)は4,800万円となり、実に3,200万円もの差があることになります。
 また、税率構造も変えて、現在の6段階を8段階に増やしました。課税遺産総額1億円以下の税率は従来通りですが、1億円以上の税率を4段階に分け、最高税率も6億円超を55%と引き上げました(現行の最高税率は3億円超の50%)。
 死亡保険金に係る非課税限度の条件も変更となりました。死亡保険金とは被相続人の死亡によって取得した生命保険金や損害保険金のことで、その保険料の全部または一部を被相続人が負担していると相続税の課税対象となります。全相続人が受け取った保険金の合計額が非課税限度額(500万円に法定相続人の数を乗じた金額)を超えると、その超えた部分に課税されます。この法定相続人が、①未成年者、②障害者または、③相続開始直前に被相続人と生計を一にしていた者に限定されました。つまり同居していない成人の法定相続人には課税されることになります。

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相続時精算課税の見直し
—贈与者の年齢を5歳引き下げて60歳に

 相続税の増税は格差是正・富の再分配という見地から厳しくしましたが、そのかわり贈与税を緩和して、高齢者層の資産を現役世代への早期移行を図ろうというのが来年度の税制改正の狙いの一つです。現役世代が贈与された資産を有効活用すれば経済活性化につながるとの狙いがあるわけです。
 手始めは相続時精算課税の贈与者と受贈者の見直しです。
 相続時精算課税は、親から子供に生前に財産贈与をする場合に、2,500万円まで非課税にする制度です。2,500万円を超えた場合、超過分の20%を贈与税として納付します。贈与者が死亡した場合、この制度の適用を受けた贈与財産と相続財産を足した額で相続税の計算をします。
 今回の改正で、現行推定相続人のみだった受贈者に、「20歳以上の孫」が追加されました。そして、贈与者の年齢要件を現行の65歳から60歳に引き下げられました。
 また、相続時精算課税の対象とならない贈与財産に係る贈与税の税率構造も見直されました。①「20歳以上の者が直系尊属から贈与を受けた財産に係る贈与税」を現行より5〜10%引き下げ、②「①以外の贈与財産に係る贈与税」の税率構造を変え、1,000万円以下の税率は従来通りですが、1,000万円以上の税率を3段階に分け、最高税率も3,000万円超を55%と引き上げました(現在の最高税率は1,000万円超の50%)。
 直系尊属からの住宅取得等資金の贈与を受けた場合、贈与税の非課税措置が拡充されました。適用対象となる住宅取得等資金の範囲に、住宅の新築等(住宅取得等資金の贈与を受けた翌年3月15日までに行われたものに限定)に先行して、その敷地用の土地を取得するための資金も追加されました。
 これらの贈与税の適用は平成23年1月1日以後の贈与により取得する財産に係る贈与税について適用となります。
 つまり、贈与税は1月から緩和し、相続税は4月から厳しくなるわけです。

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