資金繰りに苦しむ中小企業の支援策として、2008年10月31日にスタートした「原材料価格高騰対応等緊急保証制度」だが、12月24日の時点で総枠6兆円の保証枠の半分強の3兆2,264億円(約13万8,000件)が利用されている。申し込みは既に保証枠の6兆円に迫っているとも言われ、2009年1月には保証枠を使い切ってしまう可能性が高い。追加経済対策で保証枠を20兆円に拡大する方針を麻生首相は打ち出しているが、2次補正予算案の提出を先送りにしたため、予算の裏付けがないため、保証枠の拡大は2009年になってからの話となる。
同制度の狙いは中小企業への融資拡大にある。それには金融機関が中小企業に融資をする際の金貸し倒れリスクをなくすこととして、全国の信用保証協会が融資の返済を100%保証する制度を立ち上げた。信用保証協会は都道府県などが設立したもので、全国に52あり、倒産などで借入金を返せなくなった中小企業に肩代わりして返済を保証する公的機関である。中小企業は保証料(借入額の一定割合)を信用保証協会に支払うことで肩代わり返済を保証してもらう。2007年10月から融資の焦げ付きに対して金融機関側にも一定の負担を求める責任共有制度となっていたが、今回の制度は信用保証協会が全額保証するものである。福田前首相が2008年8月にまとめた総合経済対策の一つとして盛り込んだもので、1次補正予算が成立したことで10月31日のスタートとなった。
同制度の主な内容は以下の通り。
不動産賃貸業、貸家業、管理業等を含む698業種(2008年12月10日現在)
中小企業庁のホームページ〈http://www.chusho.meti.go.jp/〉で対象業種は確認できる。
以下のいずれかに当たる中小企業者で、事業所の所在地を管轄する市町村長又は特別区長の認定を受けた方
(1)最近3ヵ月間の平均売上高等が前年同期比マイナス3%以上減少している中小企業者
(2)製品等原価のうち20%以上を占める原油等の仕入れ価格が20%以上上昇しているにもかかわらず、製品等価格に転嫁できていない中小企業者
(3)最近3ヵ月間(算出困難な場合は直近決算期)の平均売上総利益率又は平均営業利益率が前年同期比マイナス3%以上低下している中小企業者
本店所在地(個人事業主の場合は主たる事業所)の市町村(または特別区)の担当課(商工担当課等)の窓口に認定申請書を提出し、認定を受ける。その後、金融機関または所在地の信用保証協会に認定書及び決算書等借り入れに必要となる資料とともに保証付き融資を申込む。
認定書の様式は事業所の所在する市町村(または特別区)の担当課(商工担当課等)で配付
近時の急激な原材料価格等の高騰により厳しい経営環境におかれている業種の中小企業を対象として、対象業種を営む中小企業は、一般保証の2億8,000万円(うち無担保8,000万円)までとは別枠で2億8,000万円(うち無担保8,000万円)までの利用が可能。
なお、既にセーフティネット保証を利用している場合は、合算で2億8,000万円までとなる。
ただし、認定を受けた場合でも、金融機関及び信用保証協会の審査があり、保証内容を無条件で受けられるとは限らない。
・保証料率 ? 年0.8%以下
・保証期間 ? 10年以内(据置期間1年以内)
・金利 ? 金融機関により異なる。金融機関に問い合わせること
緊急保証制度の利用には、対象業種である必要がある。ただし、対象業種以外でも、業種を問わず指定保証協会の他の保証制度や日本政策金融公庫のセーフティーネット貸付等の利用が可能。
市区町村による認定書はあくまでも対象業種等に係る認定である。
実際の借り入れについては、認定とは別に、金融機関及び信用保証協会による金融上の審査がある。
近くの経済産業局、各信用保証協会、(株)日本政策金融公庫、(株)商工組合中央金庫へ(2008年10月1日から「国民生活金融公庫」と「中小企業金融公庫」は他の政府系金融機関との統合により「(株)日本政策金融公庫」へ、「商工組合中央金庫」は「(株)商工組合中央金庫」になった。)
・経済産業局 http://www.meti.go.jp/intro/data/a240001j.html
・信用保証協会 http://www.zenshinhoren.or.jp/access.htm
・日本商工会議所 http://www.jcci.or.jp/
・(株)日本政策金融公 http://www.jfc.go.jp/
・(株)商工組合中央金庫 http://www.shokochukin.co.jp/
・沖縄振興開発金融公庫 http://www.okinawakouko.go.jp/
政府は、黒字倒産が相次ぐ不動産業界向けに融資する緊急対策を打ち出した。また個人向け住宅ローンの金利優遇制度も拡大し、不動産市況の活性化を図る。
緊急対策は2008年度の補正予算か2009年度の当初予算に反映するとしている。
独立行政法人の住宅金融支援機構が中小の不動産開発業者に対し新しい融資制度を設け、1社20億円程度を上限に、物件の開発計画の審査後、政府保証を付け貸し出す。黒字で売上高が高い不動産開発業者にとって「原材料価格高騰対応等緊急保証制度」は利用しにくいためだ。
調達規模が3兆?4兆円に達する不動産投資信託では、一部銀行が資金借り換えに応ぜず運転資金不足に対する懸念が高まっている。そこで、日本政策投資銀行を窓口に通常より低金利で融資を行う。これは日本政策金融公庫の「危機対応円滑化業務」を活用したもの。
住宅金融支援機構の住宅ローン「フラット35」の高性能住宅向けの金利優遇制度において、新築住宅の場合は0.3%の金利優遇制度を5年間から10年間に延長する。中古住宅の場合は5年間、0.3%の金利優遇制度を新設する。