● 改正案の趣旨
高齢者の居住の安定の確保を一層推進するため、都道府県による高齢者の居住の安定の確保に関する計画の策定、高齢者居宅生活支援施設と一体としてその整備を行う高齢者向け優良賃貸住宅の供給計画について都道府県知事の認定を受けた者が当該賃貸住宅を社会福祉法人等に賃貸することができることとする制度の創設等の措置を講ずる。
● 改正案の概要
(1)高齢者の居住の安定の確保に関する基本的な方針の拡充
基本方針においては、国土交通大臣及び厚生労働大臣が高齢者に対する賃貸住宅及び老人ホームの供給の目標の設定に関する事項等を定めることとする。
(2)高齢者居住安定確保計画の策定
都道府県は、基本方針に基づき、高齢者に対する賃貸住宅及び老人ホームの供給の目標等を定める高齢者居住安定確保計画を定めることができることとする。
(3)高齢者円滑入居賃貸住宅の登録基準の設定等
ア 都道府県知事は、高齢者の入居を受け入れることとしている高齢者円滑入居賃貸住宅が、その各戸の床面積の規模、構造及び設備、賃貸の条件等に関する基準に適合していると認めるときは、その登録をしなければならないこととする。
イ 都道府県知事は、登録をした高齢者円滑入居賃貸住宅がアの基準に適合しないと認めるときは、当該基準に適合させるために必要な措置をとるべきことを指示することができることとする。
(4)高齢者向け優良賃貸住宅の認定制度の拡充
ア 高齢者居住安定確保計画が定められている都道府県の区域内においては、高齢者向け優良賃貸住宅の認定の基準として、高齢者居住安定確保計画に照らして適切であることを追加する。
イ 高齢者居宅生活支援施設(高齢者がその居宅において日常生活を営むために必要な保健医療サービスまたは福祉サービスを提供する高齢者居宅生活支援事業の用に供する施設)と一体としてその整備を行う高齢者向け優良賃貸住宅の供給計画について都道府県知事の認定を受けた者は、当該高齢者居宅生活支援事業を運営する一定の社会福祉法人等に対し、当該高齢者向け優良賃貸住宅を賃貸することができることとする。
(5)地方住宅供給公社の業務の特例
地方住宅供給公社は、高齢者居住安定確保計画に基づき、加齢に伴う高齢者の身体の機能の低下の状況に対応した構造及び設備を有するものとすることを主たる目的とする住宅の改良等を行うことができることとする。
屋内式ガス瞬間湯沸器、FF式石油温風暖房機、浴室用電気乾燥機など、ガス、石油、電気を使用する設置式の製品は、長い間使い続けていると、部品などが経年劣化して、火災や死亡事故を起こすおそれがある。
そこで、経済産業省では、経年劣化による製品事故を防止するために、消費生活用製品安全法を改正し、特に重大な危害を及ぼすおそれの多い9品目について点検する「長期使用製品安全点検制度」を創設し、平成21年4月1日から施行される。
点検制度対象9品目は以下の通りである。
1.屋内式ガス瞬間湯沸器(都市ガス用)
2.屋内式ガス瞬間湯沸器(プロパンガス用)
3.屋内式ガスバーナー付風呂釜(都市ガス用)
4.屋内式ガスバーナー付風呂釜(プロパンガス用)
5.石油給湯機
6.石油風呂釜
7.FF式石油温風暖房機
8.ビルトイン式電気食器洗機
9.浴室用電気乾燥機
長期使用製品安全点検制度は、製品を購入した所有者に対して、メーカーや輸入業者から点検時期を知らせ、点検を促すことで、事故を防止するための制度だ。
そのため、消費者には、製品を購入する際に、メーカーや輸入業者にユーザー登録を行う責務がある。また、点検時期がきて、製品の使用を継続する場合は必ず点検を受ける責務がある。
アパートやマンションなどのオーナーは、賃貸業者として、賃借人の安全に配慮すべき立場にあるため、特に保守が求められる。
ユーザー登録と点検の責務を果たさずに重大事故を招いた場合、所有者(オーナー)はその責任を問われる場合もある。
点検が必要な9品目(特定保守製品)を購入すると、ユーザー登録のための所有者票が製品に同梱される。これは点検時期がきたときに、メーカーや輸入業者が、所有者に対して通知を行うために、絶対に必要な情報。必ず、「お客様記入欄」に必要事項を記入し、投函する。
また、販売事業者は、特定保守製品を販売する際に、消費者に対して点検などの保守の必要性とユーザー登録の必要性を説明する義務がある。ユーザー登録は購入の際に所有者が販売店で記入し、販売店を通じてメーカーなどに提出することもできる。
ユーザー登録は、点検の通知だけでなく、製品に重大な不具合が発見されたときのリコールの知らせなどにも使われる重要な情報である。引越しをした際や、中古物件を購入した際など、所有者の登録情報に変更が生じる場合には、新たな所有者がメーカーなどに連絡する。
平成21年4月1日以降に製造、輸入された特定保守製品には、「法定点検期間」が明記されている。その時期になると、メーカーや輸入業者から、ユーザー登録されている所有者に通知がある。特定保守製品の所有者は、この通知を受けてからメーカーなどに点検の要請を行い、この期間に法定点検を受ける。
点検が必要となる時期は、製品やメーカーによって違うが、例えば、製造から10年ほど経ったころである。この制度では、法定点検期間の終了まで部品を保存するようメーカーなどに求めている。
なお、この制度における法定点検は、メーカーの保証期間とは異なり、所有者として製品を保守管理する観点から行うものであることから、点検費用は所有者の負担となる。点検料金は、技術料金と出張料金をベースに決定される。また、各メーカーなどでは、ホームページなどで点検料金を公表する。また、点検依頼時には料金を告知する。
平成21年4月1日以前に製造、輸入された製品については、メーカーなどからは点検通知はいかないが、同様に点検することが可能なので、メーカーなどに問い合わせることである。点検することが望ましい時期にきた製品については、メーカーなどがホームページなどに掲載して情報提供することになっているので、参考にしてほしい。
法定点検は、ユーザー登録をしているメーカーや輸入業者からの連絡が前提となっており、また、平成21年4月1日以降に製造、輸入された特定保守製品の法定点検期間は製品に表示される。そのため、メーカー、輸入業者からの通知が届いていないのに、突然、点検業者を名乗って訪問にくる不審な業者には十分な注意が必要だ。
特定保守製品を販売する事業者(小売販売店、工務店、不動産販売事業者等)には、販売する際に所有者に対して、「長期使用製品安全点検制度」の説明を行い、ユーザー登録の必要性、販売店がユーザー登録に協力することなどを説明する義務がある。これは店舗を構えた販売店に限らず、インターネットを通じて販売する際にも適用される。インターネットで売買を行う場合は、必ず説明の文書を記載し、消費者の同意をとるようにすることが重要である。
また、「長期使用製品安全表示制度」も平成21年4月1日から始まる。点検制度と違って、製品の法定点検は行わないが、経年劣化による事故件数の多い家電製品5品目について、設計上の標準使用期間と経年劣化についての注意喚起の表示が、メーカーなどに義務化される。
表示制度の対象製品は、以下の5品目。
1.扇風機
2.換気扇
3.洗濯機(洗濯乾燥機を除く)
4.エアコン
5.ブラウン管テレビ
これらの家電製品を長い間使用していると、熱、湿気、ホコリなどの影響により、内部の部品が劣化して、発煙や発火のおそれがある。使用中に異常な症状を感じたら、電源スイッチを切り、コンセントから電源プラグを抜いて、メーカーや販売店に相談してほしい。
以上、安全点検と表示制度は、賃貸住宅経営をするオーナーおよび不動産管理会社にとって入居者保護の面からも重要な施策である。ぜひ認識していただきたい。