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業界トピックス

家賃債務保証業務の適正な実施の確保の要請と業者への実態調査結果

国土交通省の要請内容

 国土交通省は、日管協は「賃貸保証制度協議会を設けて業務適正化に係る自主ルールを定め、その遵守を申し合わせるなど、家賃債務保証業務の適正な実施に努めている」と理解した上で、「賃貸保証制度協議会会員企業の家賃債務保証に係る契約書の見直しの検討を含めて業務の適正な実施の確保に向けて取り組んでいただきたい」と要請し、その際に「各会員企業において、相談窓口を設置するなど契約者からの相談・苦情等に対応する体制を整えること、家賃債務保証契約の締結に当たって契約内容を十分に消費者に対して説明すること、家賃債務保証業務の実施に当たって各種法令を遵守することを従業員一人ひとりまで徹底すること等」に努めるよう要請している。
 ただし、消費者契約法等の規定に該当するか否か等は最終的に裁判所等で判断されるものであり、要請事項は契約書の見直しの検討や業務の適正な実施の確保を進めるに当たっての参考という趣旨でとりまとめたとしており、また要請事項以外について法令等に違反するおそれはないという趣旨ではないことを念押ししている。

1 督促の方法について
 賃貸が生じた場合等に家賃債務保証会社が文書の掲示等の手段により督促することを賃借人が承諾する旨の条項がある場合であっても、文書の内容や掲示の状況等によっては、名誉毀損罪にあたる可能性や、民事上も不法行為に該当する可能性もあると考えられる。

2 物件への立入りについて
 一定の事由が発生した場合に家賃債務保証会社が物件に立ち入ることを賃借人が予め承諾する旨の条項がある場合であっても、当該立入りが、賃借人の意思に反する場合には、住居不法侵入罪にあたる可能性や、民事上も不法行為に該当する可能性があると考えられる。
 また、このような条項は、どのような場合に立ち入ることになっているかという点にもよるが、公序良俗に反するとして無効となる可能性もあると考えられる。

3 物件の使用の阻害について
 一定の事由が発生した場合に、物件の開錠を阻害する権限を賃借人が家賃債務保証会社に付与する条項や、家賃債務保証会社が物件の使用を禁止することができる条項がある場合であっても、賃借人の意思に反して開錠を阻害するなどの行為は、民事上の不法行為に該当する可能性があると考えられる。
 また、このような条項は、どのような場合に権限を付与することになっているかという点にもよるが、消費者契約法第10条により無効とされる可能性もあると考えられる。

4 家賃債務保証会社による賃貸借契約の解除(解約の申入れ)について
 一定の事由が発生した場合に賃貸借契約を解除する(賃貸借契約の解約の申入れをする)権限を賃借人が保証会社に付与する条項がある場合であっても、実際の権限の行為が賃借人の意思に反する場合には、権限の行使の効果が否定される可能性や、不法行為に該当する可能性があると考えられる。

5 物件内の動産の搬出、処分等について
 賃借人の明け渡しが完了しない場合に、物件内の動産の搬出や処分をする権限を家賃債務保証会社に付与する条項や、賃借人が物件内の動産の所有権を放棄する条項がある場合であっても、賃借人の意思に反して物件内に立ち入って動産を搬出・処分する等することは、住居侵入罪等にあたる可能性や、民事上も不法行為に該当する可能性があると考えられる。

6 動産の保管に関する責任について
 家賃債務保証会社が適法に保管できる場合であっても、家賃債務保証会社が保管する動産について紛失、毀損等が生じても家賃債務保証会社は一切の責任を負わない旨の条項は、消費者契約法第8条により無効とされる可能性があると考えられる。

7 損害賠償額等について
 求償権の行使に当たって遅延損害金の額を定めている条項があるが、消費者契約法第9条により、遅延損害金の額の限度は、年14・6%であり、それを超える部分は、同条により無効となる。

8 事前求償について
 家賃債務保証会社が事前に求償権を行使できる旨の条項は、行使できる要件が緩やかな場合や、事前の求償権の範囲が過大かつ広範な場合には、消費者契約法第10条や民法第90条等により無効とされる可能性があると考えられる。

9 その他
 代位弁済等の手続の費用として弁済額の一定割合に相当する額を賃借人が支払う旨の条項は、手続に要する実費の額や、賃借人が支払う額などにもよるが、消費者契約法第10条等により無効とされる可能性があると考えられる。
 家賃債務保証会社に賃貸人の訴訟代理権を与える旨の条項は、弁護士法第72条に違反する可能性があると考えられる。
 

東京都の家賃保証関係団体への要請内容

1 契約に際しての書面に、消費者契約法に定める利率を超える違約金など、消費者契約法の趣旨に反する条項を定めないこと。
2 契約に際しての書面に、契約の履行を迫るため、例えばドアロック、鍵交換、荷物の搬出などの違法な自力救済を行うとの趣旨を記載しないこと。
3 契約内容の実現において、違法な自力救済を行わないこと。
4 契約内容について、消費者にわかりやすく丁寧な説明を行うこと。
5 やむをえず家賃が滞納された場合に、深夜に及ぶ執拗な督促など、消費者である賃借人の平穏な生活を侵害するような行為を行わないこと。
 合わせて、今後、家賃保証契約において東京都消費生活条例に違反する行為がある場合は、適正に対処していくことを申し入れた。

賃料遅延等に伴う家賃回収方法をめぐる相談等の実態調査

1 実態調査の内容
○ 調査対象機関
(行政機関)
 国土交通省地方整備局宅地建物取引業所管部局
 都道府県・宅地建物取引業所管部局(消費者相談窓口)
(関係法人)
 (財)不動産適正取引推進機構
 (財)日本賃貸住宅管理協会
 (財)住宅リフォーム・紛争処理支援センター

○ 調査対象とした苦情・相談内容の例
・ 家賃滞納時における高額な違約金の請求
・ 無断で賃貸物件の鍵を交換
・ 無断で入居者の所有財産を処分
・ 昼夜問わない家賃支払いの督促
・ 法的な手続きを経ない(自力救済)退去・明け渡しの強制
○ 調査時期:平成20年12月

2 実態調査結果(表1参照)
 日管協

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○相談件数は、合計件数(実件数)を見ると、平成17年度、18年度の29件から平成19年度68件と急激に多くなっている。
○ 相談内容の件数は、多い順に、①執拗な督促、②無断で鍵を交換、③高額な違約金の請求、④無断で借家内に侵入、⑤無断で所有財産を処分、⑥強制的に退去、となっている。
○ ゼロゼロ物件であるかは不明の件数が多く、また、ゼロゼロ物件以外の物件についての相談件数も一定程度存在する。

詳細については、以下を参照のこと。
・国土交通省ホームページ
http://www.mlit.go.jp/report/press/house03_hh_000011.html

・ 東京都ホームページ
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2009/02/20j2h300.htm