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業界トピックス

国交省・民間賃貸住宅部会「中間とりまとめ」の概要

民間賃貸住宅を巡る現状と課題

  民間賃貸住宅は、住宅ストックの約3割(1256万戸)を占めており、国民の住生活の安定の確保には重要でありながら、民間賃貸住宅を巡る様々な問題は従来から発生しています。
 全国の消費生活センターに寄せられる賃貸アパート・マンションに関する相談件数は、年間3万件を超える水準で推移し、相談内容は、敷金・保証金等の返還、原状回復、管理業務に関するものが多くなっています。
 
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また、民間賃貸住宅の品質面においても、持家に比べ面積が小さく、バリアフリー・省エネ化が遅れ、計画的な維持修繕が行われていないといった問題が生じています。
 これらの問題に対する対策の検討に当たっては、個別のトラブル・紛争において入居者の利益が害されることのないように、市場の機能が発揮され、契約・管理面も含めて良質な民間賃貸住宅が市場において供給され、入居者希望者が市場において良質な民間賃貸住宅を選択することができるようにするという視点が重要となります。
 以上のことを踏まえ、民間賃貸住宅部会は、以下の4点において方策の検討が行われることを「中間とりまとめ」として発表しました。
 

① 民間賃貸住宅を巡る紛争の未然防止
② 民間賃貸住宅を巡る紛争の円滑な解決
③ 滞納・明渡しを巡る紛争の解決
④ 民間賃貸住宅ストックの質の向上


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1.紛争の未然防止について

 検討の視点としては、まずトラブル発生の防止が重要であるということ。そして、情報の非対称の解消や原状回復等のルールの明確化による取引費用の軽減等の視点からの検討が重要であるとしています。
 次に、検討の方向性および課題としては、第一に民間賃貸に係る情報として、①物件の性能、契約内容、管理に関する情報等を入居予定者に提供する仕組みの整備、②情報の専門性が高いことから、入居予定者の判断を容易にするよう、性能や契約・管理内容等を評価する仕組みの整備、③情報の信頼性確保の観点から、第三者による内容確認・評価の仕組みの整備、④賃貸人や反復継続的に滞納を行う賃借人の信用情報の整備の検討、があげられています。
 第二に賃貸住宅に係るルールとして、①原状回復ガイドラインの見直し、②賃貸住宅標準契約書、標準管理委託契約書の見直し、③紛争の未然防止等に具体的に活用している事例の紹介等を含め、定期借家制度の普及・促進、としています。

 

2.紛争の円満な解決について

 検討の視点としては、紛争防止のためのルールの客観化、普及に一定の時間を要することや、全ての紛争防止は困難であることから、円滑な紛争の解決方策が必要であること。また、民間賃貸住宅を巡る紛争は、少額なものが多いことから裁判よりも裁判外紛争解決手続きに面があること。さらに、原状回復や滞納等の保険・保証等、損失・負担等を防止等する仕組みの検討が必要である、としています。
 検討の方向性および課題としては、第一に第三者による紛争の解決として、①一定の専門性を要するため、賃貸住宅独自の紛争処理機関の設置が有効、②紛争の発生は地域を問わないため、全国各地で利用可能なこと、③少額紛争が多いため低コストで利用可能なこと、④紛争処理機関の処理能力も考慮し、紛争対象範囲等を検討することも必要である、としています。
 第二に損失・負担等を防止またはカバーする仕組みとして、保険や保証に対するニーズ等の把握や審査能力等の整理が必要であるとしています。

 

3.滞納・明渡しを巡る紛争について

 昨今、滞納・明渡しを巡るトラブルが増加しています。具体的には、賃借人が家賃を滞納した場合に、家賃債務保証会社が求償権の行使に当たって、執拗な督促、物件への立ち入り、鍵の交換、動産の搬出・処分といった、いわゆる「追い出し屋」による違法または不適切な事例が発生しています。
 国民生活センターに寄せられた家賃債務保証をめぐる消費者トラブルに関わる相談件数は平成16年度44件だったものが、平成20年度には10倍強の495件になっています。


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この項目における検討に当たっての視点は、前述したように家賃滞納者への家賃債務保証会社等による違法行為等の多発。そして、法的手続きによる明渡しには、相当の期間と費用を要するとの指摘。そのためによる、家賃債務保証業務等の適正化の方策と滞納発生時の円滑な明渡しの方策の検討が必要であるとしています。
 そして、検討の方向性および課題としては、第一に家賃債務保証業務等の適正化であるとして、その手法例として、①家賃債務保証契約等に関する情報提供、②家賃債務保証に係る求償権の行使に当たってのガイドライン策定、③家賃債務保証業に係る任意の登録制の導入、④家賃債務保証業への許可制の導入、などがあげられました。
 第二に滞納等が発生した場合の円滑な明渡しのためには、①明渡しマニュアルの検討、②契約解除の判断基準の客観化や債務名義を得る仕組みの検討、③滞納トラブル防止に資する定期借家制度の普及・促進、が必要であるとしています。

 

4.民間賃貸住宅のストックの質の向上について

 ストック重視の住宅政策への転換を図り、また、環境への負荷を低減するためには、賃貸住宅においても良質な住宅を長期にわたり良好な状態で使用していくことが必要です。
 そのためには、質の高い民間賃貸住宅が供給されることが、まず必要であり、新築のみならず既存住の賃貸住宅の改良も重要なことです。また、長期にわたり良好な状態で使用するには、計画的な修繕も必要になってきます。
 しかし現状としては、民間賃貸住宅ストックの質は、床面積、耐震性、省エネ性能、バリアフリー対応といった面で、持家に比べて依然として低いことは否めません。


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これは、入居者希望者が賃貸住宅を選択する際に、物的性能面を持家の場合ほどに重視していないことから、その部分にコストをかけても市場で評価されずコストを回収できないと家主が考えているのではないかと推測されます。
 また、そのような入居希望者の傾向は、民間賃貸住宅の耐震性等の情報を物件選定段階で入手することが容易でないということも一因と考えられます。
 そこで、この項目における検討の方向性および課題としては、第一に質の高い民間賃貸住宅の供給(新築・改良)として、①賃貸住宅の物的性能に関する情報提供の仕組みの整備、②質の高い民間賃貸住宅の供給を誘導するための支援措置の検討、③質の高さを家賃に反映させるため、定期借家制度の普及・促進、などがあげられました。
 また、第二に計画な修繕の促進として、①修繕の実施状況等の賃貸住宅に関する情報提供の仕組みの整備、②計画的な修繕を促進するための支援措置の検討が必要であるとしています。